1人1人とじっくり向き合う仕事を求めて。営業から福祉の道へ。
はじめまして、今年の10月1日にグループホーム友セカンド(東京都立川市)で働き始めました鈴木と申します。
入職して初めての記事ですので、
私が営業職から福祉職、社会福祉法人SHIPへの転職に至るまでのきっかけ、
働いてみての感想を綴っていけたらと思います。
1.営業職から福祉の道に進んだ理由
いくつか理由はありますが、一番は「1人1人とじっくり向き合う支援をやりたかったから」です。
昔から人の成長に携わる仕事に興味があったため、学生時代は教師を目指しておりました。
ただ、社会人としての経験を積みたかった思いもあり、新卒から営業職として働くことにしました。
実際に働いてみると、常時40~50名程度のお客様を担当しており、時間に追われる日々でした。
いかに効率的かつ高いパフォーマンスを発揮できるかが求められていたため、
1人のお客様に割ける時間は限られておりました。
また、会社の都合上、月単位で担当顧客が入れ替わることも多かったため、
じっくりと向き合い切れていない状況にモヤモヤを感じておりました。
さらに長く働き続けていると、次第にお客様を数字で見るようになっていき、
自分が目指す仕事の在り方から離れている感覚がありました。
仕事にやりがいは感じておりましたし、尊敬できる方々ばかりで職場には満足していたのですが、
営業職のスペシャリストとして働き続けるビジョンが持てませんでした。
自分のキャリアを見つめ直した末、
「もっと一人一人と長期的にじっくりと向き合う仕事をやりたい!」
「数字に囚われず、もう少しフラットな視点で人と向き合いたい!」
「人の成長を支援する仕事をやりたい!」
と考えて転職活動を決意しました。
2.社会福祉法人SHIPに入職を決めた理由
SHIPは他の会社と比較しても、
「できる部分を伸ばす支援」
「支援を諦めないスタンス」
を強く押し出しているのが印象的でした。
また、その支援において「根拠を持った支援ができているか」を大事にされている点が自分の指向性とマッチしていると思いました。
営業ではお客様に納得して自社の商品を選んでもらうためにも、
いかに根拠を持って説明できているかどうかを重視していたため、
支援する相手は違えど物事の考え方は通ずる部分があるかもしれないと想像しておりました。
3.友セカンドで働いてみて
友セカンドに配属されて3か月目を迎えておりますが、
1人1人とじっくり向き合いながら仕事ができていると実感しています。
40~50名のお客様を、1人で担当していた営業職の頃と比べて
10名の利用者様を、男性職員全員で支援している今の環境は
私にとって大変恵まれているなと思いました。
ただ、コミュニケーションの取り方が営業職とは全く異なるため、そのギャップにはとても戸惑いました。
前職では、当たり前のように言葉でコミュニケーションを取っておりました。
営業トークの組み立て、質問・傾聴術、プレゼン資料の作成など
言葉を駆使してお客様の人柄、悩み事を理解し、その悩みを解決する仕事でした。
一方、友セカンドの利用者様の多くは重度の知的障害と自閉症を併せ持っております。
発語が無く、言葉の理解も難しい、言葉を用いたコミュニケーションが困難な方々を支援する仕事です。
営業職と同じやり方では相手の人柄も、ニーズも理解することができません。
「相手のニーズが分からなければ、こちらも何をしたら良いのかも分からない・・・」
「言葉を使わずにコミュニケーションを取ることがこんなにも窮屈で難しいものなのか・・・」
入職間もない頃の私は、ただただ困惑していました。
しかし、有難いことに入職して間もない頃は利用者様を1日中観察する機会をもらえたので、
じっくりと1人1人を観察し続けていました。
先輩方から教えていただいたノウハウをもとに観察していると、
表情や目線の動き、行動の傾向から
「もしかしたらこれを求めているんじゃないか・・・?」
と明確な根拠はないものの、利用者様のニーズを推察できるようになりました。
その推察をもとにやってみても、思うようにいかないことばかりですが、
じっくり観察して1人1人と向き合えば、
相手を理解するための情報は沢山眠っていることが分かりました。
また、先輩方から支援のやり方を学ばせていただく中で、
言葉を使わなくても視覚的な情報(絵カードやジェスチャー等)を提示すれば
利用者様とコミュニケーションが取れることも実感できました。
言葉を使わずとも工夫次第で意思疎通は図れるものだと、友セカンドでの勤務を通して学びました。
4.言葉は万能ではないのかもしれない
友セカンドの利用者様との関わりを通して、
私はこれまで仕事に限らず、日常生活でも言葉に頼り切って生活していたこと、
そしてそれが当たり前であると思いながら、社会で生きていたことに気付きました。
同時に、言葉の力は決して万能ではないとも考えるようになりました。
言葉で説明しても上手く伝わらなければ、
話し手は「何でわかってもらえないのか」とモヤモヤしたり、
反対に話し手が『察して欲しい』と思って言葉にしなければ、
受け手は「言葉にしないと伝わらないよ」とイライラしたり・・・。
誰かとコミュニケーションを取るうえで、言葉はとても便利なツールであることは間違いないですが、
『言葉を使えば通じ合えるだろう』
この前提があるが故に、
コミュニケーションにエラーが生じる危険性もあるとも思いました。
5.通じ合える喜びを分かち合いたい
言葉を使える人同士でも、
お互いの意図を汲み取って通じ合うことは容易ではないからこそ、
障がいの有無にかかわらず
「通じ合うためにどうすればよいのだろうか」
この問いを自身に立てて、目の前の人と向き合うことが大事なのだと学びました。
上手くいかないことも多く、未熟さを実感する毎日ですが、
利用者様から学ばせてもらうことばかりです。
これからも目の前の利用者様とじっくり向き合い、
「どうやったら自分の気持ち・要求が伝わるのか」
「どうやったら相手の気持ち・要求を理解できるのか」
を追求し続けて、通じ合える喜びを利用者様と一緒に分かち合えたらいいなと思います。
長文になり失礼いたしました。
ここまでご覧いただきありがとうございました。