高齢者介護から障碍者支援へのチャレンジ

 はじめまして。今年1月から友セカンドに配属になった、世話人の田代と申します。

 私は現在57歳で転職をして友セカンドで勤めています。35年間、ほぼ福祉一筋で生きてきました。

高齢者施設で勤めていた際に、ケアマネージャーの資格を取得しました。

 在宅介護のケアマネージャーとしての経験もあり、認知症のグループホームの管理者兼ケアマネージャー、有料老人ホームの施設長等を経験してきました。

 長年、介護福祉の世界で勤めて来たモチベーションは、たくさんの苦境を乗り越えてきた利用者様の方々の老後を、穏やかに暮らしていただき、「終わりよければ全て良し、自分の人生は素晴らしい物であった。」

と思っていただけるように頑張っていました。

 しかし、多くの方をお看取りしなければならない現実に、その都度心を痛めなければならず、それと相反してお看取りすることに麻痺してしまう自分が許せなかったのも確かです。

 長年勤めていた福祉の資格も経験もあり、福祉の仕事は天職だと思ったので、もともとチャレンジ精神が旺盛な私は未知の世界である、知的障碍者の福祉にチャレンジしてみようと決めました。

 社会福祉法人SHIPの理念である、「みんなで幸せになる社会創りを使命としています。」

という言葉に感銘を受け、面接を受けさせていただきました。

 ありがたいことに、57歳という年齢にも関わらず採用していただき、入職して8カ月がたちました。

 

 友セカンドで働き始めて私が経験したことを話します。

 グループホーム友セカンドでは重度の知的障碍者を患っている方が対象で、ほとんどの方が障害分野で一番重いとされる「区分6」の方です。

 ほとんどの利用者の方が言葉を話す事ができない事に戸惑いを感じました。

 高齢者介護での声掛けはとても重要で、例をあげると、認知症を患っている方などは、声掛けの工夫で入浴を拒否される方を入浴していただく事に成功することで、介護者としての自信にもなります。

 しかし自閉症を伴う重度知的障碍者の方は声掛けが有効とは限りません。声掛けによって混乱させてしまったり、自傷行為、他害行為につながる可能性があります。言葉を理解することが困難な方をどのように支援したらよいか、まったくわかりませんでした。とまどいしかなかったです。

 35年にわたる高齢者介護の経験がまったく通用しないことを痛感しました。

 先ずは利用者の方一人一人の特性を理解することが支援の第一歩だと思い、先輩方に利用者の方一人一人の特性を教えていただきました。

 S様は絵カードをとても理解される方なので、「絵カードによるコミュニケーションが有効ですよ。」

とアドバイスしていただきました。

 その方のお部屋には生活に必要な絵カードがあり、私に絵カードを見せ、今何をしたいのかを伝えて下さる場面がありました。

 お部屋には、S様のお好きなタブレットの絵カード、お水を飲む為の絵カード、歯ブラシの絵カード、食事の絵カード、浴室の絵カード、排泄を意味するためのお尻拭きの絵カードがありました。S様もそれらの絵カードを理解されており、特にお尻拭きの絵カードや、タブレットの絵カードを提示してくださり、要求に応えることができました。

 重度知的障碍者=ご自身できることが少なくて介護に近い支援をするという思い込みがどこかにあった私は、タブレットを使いこなせるS様にとても感動いたしました。

 そして知的障碍者の可能性をS様や他の利用者様の特性を知ることで、出来ることがもっとあるのではと思いました。

 知的障碍者の支援の魅力は、正にSHIPの事業理念である、「支援される部分を少なくし、自分のできる部分を増やす事。」

だとおもいます。

 利用者様の可能性を引き上げていくことは、支援していく上でとても重要なことを忘れずに、現状に満足するのではなく、常に模索していきたいと感じています。

 まとまりのない文章ですが、最後までお読みくださりありがとうございました。

 57歳まだまだ勉強して、今後は精神保健福祉士の資格を取得し、知的障碍者支援者のスペシャリストとなれるように精進していきます。

 

 

 

 

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